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柴田 大受; 石原 正博; 本橋 嘉信*; 伊藤 勉*; 馬場 信一; 菊池 誠*
Materials Transactions, 45(8), p.2580 - 2583, 2004/08
被引用回数:3 パーセンタイル:26.88(Materials Science, Multidisciplinary)3mol%のイットリアを含有する正方晶ジルコニア多結晶体(3Y-TZP)に1.610J以上のエネルギーの高速中性子を2.510(軽照射)及び4.310(重照射)mまで照射した。照射による3Y-TZPの有意な体積膨張は無かった。照射後の試験片の超塑性特性を1623から1773Kの温度範囲で、5.010から1.6710sの初期ひずみ速度での引張試験により調べた。その結果、照射後の試験片の破断伸びは、非照射の試験片と比較して極めて小さいことがわかった。また、照射後の試験片は、781(軽照射)と693(重照射)kJ・molという極めて大きい超塑性変形の活性化エネルギーを示した。中性子照射による3Y-TZP中のはじき出し損傷がこれらの主要な原因の一つと考えられる。
栗田 源一; 永島 圭介; 牛草 健吉; 菊池 満
Fusion Engineering and Design, 38(4), p.417 - 428, 1998/00
被引用回数:4 パーセンタイル:38.68(Nuclear Science & Technology)定常炉心試験装置は、定常トカマク運転のための統合化された科学的基礎を確立するための実験装置として設計されている。プラズマ表面での安全係数の値を高く保って大きなプラズマ電流で運転するためにプラズマ断面の形状は、大きな楕円形となっている。この大きな楕円形は、いろいろなMHD不安定性の中でも、特に垂直位置不安定性が不安定となり、安定な定常運転を得るためには、これを回避する必要がある。ここでは、定常炉心試験装置の垂直位置不安定性が調べられ、標準的な定常運転の配位で、プラズマ表面の近くにバックル板を置くことによって、その成長率は30から50Hzに低減され、安定マージンは、0.5まで増加することが示された。これらは制御可能な数値である。また三角度変数が、標準配位の平衡に対して、大きな安定化効果を持つことも示された。
石島 清見; 中村 武彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(3), p.229 - 238, 1996/03
被引用回数:7 パーセンタイル:54.42(Nuclear Science & Technology)高燃焼度燃料は反応度事故において、燃料ペレットと被覆管の機械的相互作用(PCMI)により、脆化した被覆管に破損が生ずる可能性がある。このPCMIは、燃料ペレットの出力暴走による急速な膨張によって生ずる.反応度事故時のPCMI挙動を調べる炉内実験を日本原子力研究所の原子炉安全性研究炉(NSRR)を用いて行った。実験はPCMIの基本的挙動を理解するため、照射の効果を排除して、まず未照射燃料を用いて行った。作動変圧型伸び計を用いて、大気圧室温条件およびBWRの運転条件を模擬した高温高圧条件での燃料ペレットおよび被覆管の過渡伸びを測定した。また、FRAP-T6コードを用いて燃料棒の過渡挙動の予備解析を行い実験結果の理解を深めた。
大島 明博*; 池田 重利*; 瀬口 忠男; 田畑 米穂*
Material Chemistry 96: Proc. of Int. Symp. on Material Chemistry in Nuclear Environment, 0, p.755 - 761, 1996/00
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を融点直上の340Cで放射線架橋させ、照射線量を変えることで架橋密度の異なる架橋PTFEをつくった。この架橋PTFEの耐放射線性を、室温、真空中及び空気中で線照射を行い、力学特性と熱特性の変化から評価した。500kGy架橋PTFEの場合、その耐放射線性は、真空中の時、1MGyで未架橋のものの300倍、空気中では、250MGyで125倍に向上しており、架橋によって著しく耐放射線性が向上していることがわかった。
倉田 有司; 中島 甫
JAERI-Research 94-004, 30 Pages, 1994/08
ハステロイXRの固溶化熱処理材、10%及び20%冷間加工材を用いて、800~1000Cで約2000ksまでのクリープ試験を行い、クリープ特性に及ぼす冷間加工の影響を検討して以下の結果を得た。(1)本実験の範囲では、10%冷間加工材のクリープ破断時間は、950C以下で固溶化熱処理材の強度水準を上回っている。950C及び10%の冷間加工は、高温工学試験研究炉の中間熱交換器の最高使用温度及び部材の最大加工度である。(2)20%冷間加工材のクリープ破断時間は、900Cを超えると、固溶化熱処理材より短くなる。(3)破断延性は冷間加工材の方が小さくなる。(4)800~900Cでは、10%及び20%冷間加工材の最少クリープ速度は固溶化熱処理材より著しく小さくなる。(5)1000Cにおける冷間加工材のクリープ破断強度の低下は、クリープ変形中に起こる広範な動的再結晶によって説明される。
倉田 有司; 中島 甫
JAERI-M 94-022, 28 Pages, 1994/02
20%冷間加工及び固溶化熱処理を行なったハステロイXRそれぞれについて、800、900及び1000Cでクリープ試験を行った。得られた結果は以下のとおりである。(1)20%冷間加工材のクリープ破断時間は、固溶化熱処理材に比べ、800Cでは長くなり、900Cではほぼ同程度、1000Cでは逆に短くなる。(2)破断延性は20%冷間加工材の方が低くなる。20%冷間加工材についてこの値は900Cで最も低くなる。(3)固溶化熱処理材及び20%冷間加工材ともに高温では非古典的なクリープ曲線が観察された。(4)800及び900Cでは20%冷間加工材の最小クリープ速度(Em)は固溶化熱処理材の1/20~1/50となるが、1000Cでは逆に20%冷間加工材のEmは固溶化熱処理材の2倍程度に上昇する。(5)20%の冷間加工は、800及び900Cではクリープ変形に対する大きな抵抗となるが、1000Cではクリープ強度の著しい劣化をもたらす。
倉田 有司; 浜田 省三; 中島 甫
Proc. of 10th Int. Conf. on Strength of Materials; ICSMA 10, 0, p.677 - 680, 1994/00
固溶化熱処理状態及び20%冷間加工状態のNi-22Cr-18Fe-9Mo合金(ハステロイXR)のクリープ特性を800,900及び1000Cで調べた。得られた結果は以下のとおりである。(1)800Cでは20%冷間加工により定常クリープ速度及び破断伸びは減少し、破断寿命は増加する。(2)900Cでは20%冷間加工によりそれらの値は減少するが、破断寿命の延長効果は消失する。これは定常クリープ速度の減少効果に比べ、破断伸びの減少が大きくなったためである。(3)1000Cでは逆に固溶化熱処理材に比べ20%冷間加工材の定常クリープ速度は増加し破断寿命は短くなる。これは1000Cでは20%冷間加工材のクリープ中に著しい動的再結晶が起こるためである。
奥田 智昭*; 金光谷 和彦*; 古川 清志*; 八木 敏明; 瀬口 忠男
Proc. on the Electrical Electronics Insulation Conf. and Electrical Manufacturing & Coil Winding Conf., p.703 - 706, 1993/00
原子力発電所で使用される電線絶縁材料エチレン-プロピレンゴム(EPR)について、線照射および熱劣化を行った。線照射および熱劣化時のO消費量およびCO発生量をガスクロマトグラフで測定した。劣化EPRの破断伸びは劣化により発生するCO量およびO消費量と良好な相関性を示すことが分かった。OおよびCOガスの測定は高分子の劣化度評価方法として有効な手段と考えられる。
D.A.Humphreys*; 芳野 隆治
JAERI-M 92-069, 25 Pages, 1992/05
JT-60U・トカマクは、非円形度として1.6~1.8のプラズマを生成するため、垂直位置不安定性現象が発生する。本論文は、JT-60Uプラズマの垂直位置不安定性に関する特性を実験シミュレーション計算の比較を行なうことにより明らかにしている。実験においては、フィードバック制御停止時の垂直位置挙動と、ベータポロイダルを高める時に発生する垂直位置不安定性を解析している。シミュレーション計算においては、プラズマをトロイダル軸対称コイル・ループ群のリジッドな集合体と仮定し、導体に対しては、コイル励磁試験結果を再現するように、設計値を微調したモデルを使用している。すなわち、水平磁場コイルに対し仮想受動コイルを加え、真空容器渦電流モデルを低次化している。得られたプラズマ導体モデルは、プラズマ垂直位置挙動をよく再現し、これを用いて、JT-60Uにて予想される最大のシャフラノフラムダの予測計算を行なった。
B.Tang*; 梶 加名子; 吉沢 巌*; 小原 長二*; 畑田 元義
JAERI-M 91-134, 47 Pages, 1991/09
連続気泡型ポリエチレンフォームの放射線加工を行う時の基礎データとして、連続気泡型ポリエチレンフォームを電子線照射したときの強伸度及びゲル分率の変化、また照射後の加熱の効果について検討を行った。未照射フォームは化学架橋により、約50%のゲル分率を示す。このフォームに電子線照射することにより、ゲル分率は約30%増大したが、強度は、室温、70C及び100Cのいずれにおいても殆ど変化しなかった。しかし、70C及び100Cにおける伸度は小さくなり、化学架橋に更に放射線架橋を加えることにより、高温での伸びを防げることが明らかになった。また寸法安定性は電子線照射により著しく改善された。
倉田 有司; 佐藤 瓊介*; 仲西 恒雄*; 佐平 健彰*; 近藤 達男
Proc.Int.Conf.on Creep, p.97 - 102, 1986/00
ボロン量のクリープ破断性質に及ぼす影響を調べ、合金中のボロン量を最適化するため、ハステロイXRの母材、TIG及びEB溶接金属について、ボロン量を1.3~90ppmまで変化させて製造した5種類の合金を用い、大気中及びヘリウム中でのクリープ破断試験を行った。母材のクリープ抵抗改善のためには40ppm以上のボロン添加が有効であり、またボロン添加はクリープ破断延性も改良した。TIG及びEB溶接材のクリープ破断抵抗もボロン添加によって高められたが、EB溶接の場合には90ppmのボロン添加はクリープ破断性質を悪くした。ハステロイXRの母材及び溶接金属のクリープ性質を改善するためには、合金中ボロン量を40~70ppmの範囲に制御することが最適であると判断された。
上塚 寛; 川崎 了
JAERI-M 83-068, 18 Pages, 1983/04
軽水炉LOCA時におけるジルカロイの脆化挙動に対する中性子照射効果を明らかにするために、JMTRで約1.510n/cm(E1MeV)まで中性子照射したジルカロイ-4を室温~950Cの温度範囲で引張り試験した。室温~700Cの各試験温度における照射材の引張り強さは非照射材の引張り強さより10~20%大きい値であったが、800~950Cの温度範囲においては、両材の間に強度の差は認められなかった。500C以上の試験温度で、照射材は非照射材より大きな破断伸びを示した。また、800~900Cの各温度で、照射材と非照射材は共に約80%以上の大きな伸びを示した。この著しい伸びはジルカロイの超塑性現象と関連したものである。本実験の結果は軽水炉LOCA時におけるジルカロイ被覆管の脆化挙動におよぼす中性子照射効果は無視できることを示している。
瀬口 忠男; 荒川 和夫; 伊藤 政幸; 早川 直宏; 町 末男
Radiation Physics and Chemistry, 21(6), p.495 - 501, 1983/00
高分子材料の放射線化劣化を引張り試験による機械的特性の変化から検討した。ポリエチレン(PE)とエチレン-プロピレンゴム(EPR)を真空中および酸素加圧下で照射し、伸び、強度、モジュラスを測定した。酸素加圧下で照射すると、これらの物性値は著しく低下した。しかし真空中では伸びは比較的低下するが強度の低下は小さく、酸素中とは異なっている。空気中照射では線量率を上げると真空中照射に近づき、下げると酸素中照射に近づくことが明らかになり、酸素中照射は空気中低線量率照射の劣化促進法として妥当であることが判明した。
吉田 清; 多田 栄介; 高橋 良和; 三浦 立*; 大西 敬三*; 島本 進
低温工学, 17(3), p.158 - 162, 1982/00
核融合用大型超電導コイルに用いられる構造材料は、極低温下で、高強度と共に、高靭性が要求される。従来のステンレス鋼では、この要求を満足することができない。そこで、このような優れた特性を有する材料の研究開発の一貫として、高マンガンオーステナイト鋼(32Mn-7Cr鋼)の引張試験を4.2kにおいて行なった。その結果より、次のような結論が得られた。降伏強度は、ステンレス鋼(SUS304LN、LCT材)より、30%高い、110kg/mmであった。また、伸びおよび絞りは、SUS304LNと同程度であり、靭性は、SUS304LNと同程度の優れたものを有している。従って、高マンガン鋼は、大型超電導コイルの構造材として有望である。
植田 脩三; 栗原 良一; 大場 敏弘
JAERI-M 9647, 22 Pages, 1981/08
内圧クリープ試験装置を製作し高温において使用される圧力容器、配管を模擬した平滑および切欠付SUS304ステンレス鋼製円筒について650Cの温度でクリープ試験をおこなった結果をまとめたものである。平滑試験体については、9.32MPa、7.36MPaの圧力でクリ-プ破断試験をおこない破断寿命は最大主応力を取ることによりまた等価応力を基準とすることにより単軸のクリープ破断寿命と一致することが確かめられた。切欠試験体については軸方向、周方向の各種の表面切欠についてのクリープ破断試験をおこない、寿命の低下を測定した。寿命の予測に際して延性破断の式を適用することは軸方向切欠の場合良いが周方向切欠では無理であることが判明した。切欠先端からのクリープき裂成長のモニタリングには電気ポテンシアル法が有効であることが示唆された。
反応度安全研究室; NSRR管理室
JAERI-M 8259, 91 Pages, 1979/05
本報告書は、1978年7月から同年12月までにNSRRにおいて実施した燃料破損実験の結果およびその考察等についてまとめたものである。今期実施した実験は、標準燃料試験(燃料伸び測定試験、燃料棒支持構造効果試験等)、燃料パラメータ試験(加圧燃料試験、特殊熱処理材被覆燃料試験等)、冷却条件パラメータ試験(冷却水温パラメータ試験、強制対流試験、バンドル燃料試験等)および欠陥燃料試験(浸水燃料試験)の総計48回である。
柳澤 和章
JAERI-M 7726, 95 Pages, 1978/07
IFAー208および224をHBWRにて照射した結果の解析が終了したので報告する。IFAー208は中心孔付のフラット、片端ディッシュ、両端ディッシュペレットを平均線出力615W/cmで平均燃焼度5.1GWd/Tuoまで照射を行なった。照射後この燃料は優秀な寸法安定性を有していた事が示された。IFAー224は中実および中心孔付のフラット、両端ディッシュペレットを用い平均線出力590W/cmで平均燃焼度11.8GWd/Tuoまで照射を行なった。照射後大きな欠陥ほ観察されなかったが、2本の棒に1個所ずつ小さなサンバースト・ブリスターがみられた。被覆管の歪は非常に小さく1リッジ変形は見られなかった。PCIに関する設計変数の効果、高線出力・低密度燃料と高線出力高密度燃料によるPCI挙動等について比較・検討を行った。燃料中心温度等もあわせて報告した。
柳澤 和章; 竹下 功; 斎藤 隆
JAERI-M 7634, 23 Pages, 1978/04
本報は出力サイクル運転下の燃料ピンの変形に関する予備的実験の結果について取りまとめたものである。結果は以下の通りである。(1)表面形状の測定から棒には30mの微少な偏平がみられた。(2)直径方向に10mの縮みがみられた。(3)一定出力中の温度上昇で0.03mmの長さ変化が観測された。(4)出力サイクル運転終期には高出力側で120m、低出力側で80mの伸びが観測された。低出力および高出力でのピンの変形様式は非常に良く似ていた。(5)ペレットの割れは軸方向に平行でなく(ペレットとペレットの境界に達した割れの伝幡方向には一意性のないことが金相試験によって明らかになった。観察した割れは枝分れしていた。
柳澤 和章; 内田 正明
JAERI-M 7520, 29 Pages, 1978/02
国産燃料のHBWRにおける照射実験結果の解析速報である。主に燃料棒の伸びと中心温度について報告する。照射機関は1977年6月-8月、到達燃焼度は1600MWd/tUOである。